2026年の「IPO候補10社」!注目すべき超巨大IPOとその未来を徹底解説

2026年の株式市場は、これまでの常識を覆すような歴史的な1年になるかもしれません。宇宙開発の巨人から世界を席巻するAI企業、そして私たちが日常的に利用しているアプリまで、数多くの超注目企業が新規上場(IPO)を果たす可能性が浮上しています。

単に「どの株を買うか」という視点だけでなく、巨大なクジラたちが株式市場という池に飛び込んできた際にどのような衝撃波が生まれるのか、その周辺でどのようなビジネスチャンスや資金の流れが生じるのかを先読みしておくことが、これからの資産形成において極めて重要です。本日は、2026年に市場を動かすであろう注目の10社について、その背景と期待される理由を詳しく紐解いていきます。


世界を牽引する3大巨人(SpaceX、OpenAI、Anthropic)

市場が最も固唾を飲んで見守っているのが「3大巨人」と呼ばれる企業たちです。

1社目は、イーロン・マスク氏率いる「SpaceX(スペースX)」です。その企業価値は150兆円から225兆円という、一企業の枠を超えた規模に達すると予測されています。彼らの真の価値は、単なるロケット打ち上げ事業にとどまりません。鍵を握るのは衛星インターネットサービスの「スターリンク」です。これは空から地球全体をカバーする次世代の通信インフラであり、国や既存の通信キャリアを超えたグローバルなユーティリティ事業へと進化しています。さらに、次世代巨大ロケット「スターシップ」が実用化されれば、宇宙空間にデータセンターを建設するといった、かつてのSFのようなビジネスが現実味を帯びてきます。地上のエネルギー問題や冷却問題をクリアできるこの未来のインフラに、市場は天文学的な価値を見出しています。

2社目は、チャットGPTで世界を席巻したAIの寵児、「OpenAI(オープンAI)」です。時価総額は1兆ドル級とも噂される一方、巨額の赤字(キャッシュバーン)を抱えていることも事実です。しかし投資家が見ているのは、短期的な利益ではなく「知能そのものを作る」という人類史でも類を見ない競争そのものです。彼らが上場する際、市場は単純な売上高よりも、AIの性能向上にかかるコストが順調に下がっているか、そして法人向けの大型契約がどれほどのペースで増えているかという、ユニットエコノミクスの健全性を注視することになるでしょう。

3社目は、OpenAIの最大のライバルとされる「Anthropic(アンソロピック)」です。彼らはOpenAIの元幹部らによって設立され、AIの安全性と信頼性を最優先する「憲法AI」という独自技術を武器にしています。OpenAIが圧倒的な性能を追求するフェラーリだとすれば、アンソロピックは安全性と信頼を重視するボルボのような立ち位置です。この付加価値は、ミスが許されない金融や医療、法務といった業界から絶大な支持を集めており、AmazonやGoogleといったテックジャイアントが巨額の出資を続けている理由もそこにあります。

ビジネスを支える不可欠なプラットフォーム(Canva、Databricks、Stripe)

続いて、私たちのビジネスやインフラを根底から支える、強力な実力派企業たちを見ていきましょう。

デザインツールの革命児である「Canva(キャンバ)」は、もはや単なる簡易ツールではありません。AIを活用したマジックスタジオ機能や、チームでの共同編集機能を強化し、Adobeのような巨大企業をも脅かす存在へと成長しました。特筆すべきは、Zoomを上場に導いた経験を持つ熟練のCFOを迎え入れたことです。これは、個人向けツールからエンタープライズ(法人)向け市場へと本格的に舵を切り、上場への準備を万全にしたという強烈な意思表示です。

AI時代のデータ基盤を支える「縁の下の力持ち」が「Databricks(データブリックス)」です。AIを開発するには、画像やテキストといった膨大な生データが必要ですが、従来のデータベースでは扱いにくいという課題がありました。彼らの「データレイクハウス」という技術は、整理されていない生データと整理済みのデータの両方を一括で扱えるようにした画期的なプラットフォームです。AI革命に必要不可欠なインフラを提供しており、CEO自らも上場準備が整っていることを公言しています。

オンライン決済の巨人である「Stripe(ストライプ)」は、インターネット経済のOSとも呼ばれる存在です。彼らが提供しているのは単なる決済ボタンではなく、請求管理から税務対応、不正検知まで、ネットビジネスに必要な金融機能をレゴブロックのように簡単に組み込める仕組みです。長年IPOが待ち望まれてきましたが、2024年に黒字化を達成したことは、上場に向けた最大のシグナルとなりました。スタートアップから大企業までが利用するこの強固なビジネスモデルは、市場からの高い評価が期待されます。

進化を続ける日常ツール(Discord、Notion)

私たちが日常的に利用しているコミュニケーションツールや管理ツールも、大きな節目を迎えています。

ゲーマー向けから始まり、今や2億人以上のユーザーを抱える「Discord(ディスコード)」も、注目の上場候補です。かつてMicrosoftからの100億ドルの買収提案を断った経緯があり、独自路線での成長を目指しています。課題は「広告を入れない」というポリシーを貫きながら、有料プラン以外の収益源をどう確保するかという点にあります。そのビジネスモデルがまだ発展途上であるからこそ、将来の成長ストーリーに期待する投資家にとっては興味深い投資対象となるでしょう。

万能メモアプリとして日本でも人気の高い「Notion(ノーション)」は、上場準備が最終段階に入ったと見られています。最近では従業員向けの自社株売却(テンダーオファー)を開始したと報じられており、これはIPO直前の典型的な動きです。驚くべきは、その年間経常収益の約半分がAI関連製品から生まれているという点です。創業初期の苦難を乗り越えて作られた製品の強さが、AIという新しい波を乗りこなす力に繋がっています。

アジア発の戦略的プレイヤー(PayPay、TikTok)

さらに、アジアを拠点とする企業が米国市場で大きな波乱を呼ぶ可能性があります。

日本からはスーパーアプリの代表格である「PayPay(ペイペイ)」が米国市場への挑戦を視野に入れています。米国投資家が注目するのは決済機能そのものよりも、決済を入り口に金融、ショッピング、公共料金支払いまでを一つのアプリで完結させる「日本モデル」の成功実績です。欧米にはまだ圧倒的なスーパーアプリが存在しないため、このモデルのグローバル展開の可能性に大きな期待が寄せられています。

そして、今世界で最も注目されているのが「TikTok(ティックトック)」です。2025年12月18日、親会社のバイトダンスが米国企業連合に米国事業を売却することで合意したと報じられました。これは単なる撤退ではなく、中国に関連する安全保障リスクという最大の懸念事項を切り離し、米国での上場を果たすための極めて戦略的な「ウルトラC」であると考えられます。このスキームが成功すれば、政治的リスクによって抑え込まれていた500億ドル規模とも言われる巨大な潜在価値が一気に解放されることになるでしょう。

AI投資の主役は「インフラ」から「知能」へ

これら超大型IPOが相次ぐ2026年は、産業構造そのものが再定義される年になるかもしれません。これまでのAI投資といえば、NVIDIAに代表されるような、AIを動かすための半導体や物理的なインフラ、いわば「ゴールドラッシュでツルハシを売るビジネス」が主役でした。

しかし、OpenAIやアンソロピック、データブリックスといった企業が市場に登場することで、投資家の関心はそのインフラの上で生み出される「知能そのもの」の価値、つまり「掘り出された金の価値」を問う段階に入ります。これからは「AIを使って何ができるか」という期待の段階から、「そのAIを使って具体的にどう利益を出すのか」という、よりシビアな収益性が問われる時代へと移行していくはずです。

個人投資家が心得ておくべきリスクと注意点

エキサイティングなニュースが続く一方で、個人投資家としては冷静な判断が求められます。

まず警戒すべきは、これら巨大銘柄の上場によって市場の資金が一時的に一極集中し、他の既存銘柄から資金が流出する「クラウディングアウト」という現象です。また、IPO直後の株価は過度な期待と憶測によって非常に激しく乱高下する傾向があります。話題性だけに流され、上場直後のピークで買ってしまう「IPO天井」のリスクは常に意識しておくべきです。

2026年というお祭り騒ぎが予想される年だからこそ、熱狂に飲み込まれるのではなく、各企業の事業の本質的な価値をしっかりと見極める姿勢が大切です。宇宙、AI、決済、そしてコミュニティ。未来を形作る企業たちが一堂に会するこの歴史的な1年に向けて、今から着実に準備を進めていきましょう。



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