【株価好調なTESLA(テスラ)への1つの懸念】販売台数が予想超え!様々な追い風が吹くも「EV補助金終了」の向かい風に耐えられるか?

テスラ株の好調を支える追い風と、忍び寄る一つの大きな懸念

皆さん、こんにちは。今回はEV業界の巨人、テスラ(TESLA)を巡る最新の動向についてお話しします。最近のテスラ株は非常に力強い動きを見せており、特に第3四半期の納車台数は市場の予想を大きく上回る記録的な数字となりました。しかし、この好調の裏側で、今後の需要を左右しかねない大きな「向かい風」が忍び寄っています。

株価急騰の背景にある「四つの追い風」

テスラ株は過去半年間で60パーセント以上の上昇を記録するなど、目覚ましい勢いです。この背景には、主に以下の四つのポジティブな要因があります。

1. 記録的な納車台数で市場の懸念を払拭

7月から9月の第3四半期におけるテスラの納車台数は、約49万7千台と過去最高を記録しました。これはアナリストの予想である40万台前後を大幅に超えるもので、3四半期ぶりに前年同期比でプラス成長(7.4%増)に回復しました。特に納車台数が生産台数を上回ったことは、これまで積み上がっていた在庫が解消に向かったことを意味し、市場に強い安心感を与えました。

2. イーロン・マスク氏の強固なコミットメント

CEOであるイーロン・マスク氏自身が約10億ドル相当の自社株を、実に5年ぶりに購入したことが報じられました。これは経営トップによる「株はまだ割安だ」という強い自信の現れとして、投資家心理を大いに刺激しました。さらに、テスラの時価総額を8.5兆ドルに引き上げるなど、極めて野心的な目標を含む巨大な報酬パッケージも発表され、将来の成長への期待を後押ししました。

3. マクロ経済の金融緩和期待

アメリカの中央銀行にあたるFRBが政策金利の引き下げに動くという市場観測が広がっています。一般的に金利低下は、テスラのような将来の成長期待が高いグロース株にとって追い風となります。借入れコストの低下期待などが株価を押し上げる要因となっています。

4. 自動運転技術への規制緩和の動き

将来の成長の柱である自動運転技術の分野でも追い風がありました。ハンドルやペダルがない完全自動運転車について、これまで義務付けられていたワイパーなどの装備を免除する方向で議論が進んでいます。これはテスラが目指す「ロボタクシー」構想にとって車両設計の自由度を格段に上げ、コスト削減にもつながる可能性があり、長期的な評価を高める材料となりました。

最大の懸念「EV補助金終了」の反動

このようにテスラには複数の追い風が吹いていましたが、ここで大きな向かい風が立ちはだかります。それは、米国政府によるEV購入支援策(最大7,500ドルの税額控除)が9月末をもって終了したことです。

多くの市場関係者は、記録的な納車台数を達成した第3四半期は、この補助金がなくなる前の「駆け込み需要」によって大きく押し上げられたと分析しています。著名なアナリストからは、予想上振れ分の9割以上が駆け込み需要によるものだったとの試算も出ています。

この「お祭り騒ぎ」の反動が懸念されています。もし需要が単に前倒しされただけであれば、第4四半期(10月〜12月)以降の販売台数は大きく落ち込む可能性があります。すでに一部のアナリストは、第4四半期のテスラ納車台数が第3四半期の実績や前年同期と比べて大幅に減少すると予測しており、この補助金終了の影響は決して軽視できない状況です。

投資家が注目すべき点

追い風と向かい風が同時に強く吹く中で、テスラ株とどう向き合うべきでしょうか。

短期的な視点では、第4四半期以降の納車台数が補助金終了の影響をどの程度受けるのか、そしてその落ち込みが一時的なものか、あるいは需要の構造的な変化を示すものかを慎重に見極める必要があります。

一方、長期的な視点では、テスラの高い株価を支えるAIや自動運転技術(ロボタクシー、人型ロボット「オプティマス」)の実現可能性に注目が集まります。車がたくさん売れたというだけでなく、これらの将来技術が商業化に向けた具体的なマイルストーンを市場に示せるかどうかが重要になります。また、あまり報道されませんが、エネルギー貯蔵事業も着実に成長しており、自動車以外の事業の進展もチェックしておきたいところです。

テスラ株は将来の大きな期待がすでに織り込まれており、少しでも成長ペースの鈍化が見られると株価が大きく変動するリスクがあります。今後の動向、特に第4四半期の販売実績と、長期的な成長戦略に関する情報の一つ一つが、投資判断において非常に重要になってくるでしょう。


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