いま、巨大IT企業、「アップル」に今、かつてない激震が走っています。
iPhoneやMacで私たちの生活を変えてきたあのアップルから、なんと「頭脳」とも言えるトップ人材たちが次々と去っているというのです。しかも、ただの転職ではありません。AIやデザインという、これからのアップルの命運を握る最重要部門のキーマンたちが、競合他社へと「ごっそり」流出しているという衝撃的な事態が起きています。さらに、長年アップルを率いてきたティム・クックCEOにも退任の噂がささやかれ始めました。
今回は、アップル内部で今何が起きているのか、そしてポスト・クック時代のアップルはどうなっていくのかについて、詳細に解説していきます。
止まらない「頭脳」の流出
まず、ことの発端となっているのが、アップル内部で起きている異例の人材流出です。
ここ数ヶ月の間、アップルの屋台骨を支えてきたと言っても過言ではないトップエンジニアやデザイナーたちが、相次いで会社を去っています。その行き先は、メタ(旧フェイスブック)やオープンAIといった、AI分野でアップルと激しく競合しているライバル企業ばかりです。
具体的にどのような人物が辞めているのかを見ると、事態の深刻さがわかります。
例えば、アップルが起死回生を狙って発表したAI機能「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」。その基盤モデル開発チームを率いていたルオミン・パン氏が、メタに移籍してしまいました。驚くべきは、その引き抜き条件です。一説によると、その報酬額は日本円にして30億円以上とも言われています。個人の給与というよりは、もはや一つの企業を買収するような規模の金額が動いているのです。
流出はAI部門だけにとどまりません。ロボティクス研究の責任者や、次世代Siriの開発を主導していた人物なども、後を追うようにメタへと移っています。
さらに衝撃的なのは、デザイン部門での離反です。近年のアップル製品の象徴とも言える、すりガラスのような美しいデザイン言語「リキッドグラス」を手掛けたアラン・ダイ氏までもが、メタへと移籍しました。彼はVision Proなどのユーザーインターフェース責任者でもありました。
また、かつてスティーブ・ジョブズと共にアップルの黄金期を築いた伝説のデザイナー、ジョナサン・アイブ氏。彼が現在協力関係にあるオープンAIには、今年だけですでに20人以上の元アップル・ハードウェア人材が合流しているといいます。まるで磁石に吸い寄せられるかのように、優秀な人材が「アイブ」というカリスマのもとへ集結しているのです。
なぜ彼らはアップルを去るのか
世界最高のブランド力と資金力を持つアップルから、なぜこれほどまでに人材が逃げ出しているのでしょうか。
動画では、その最大の要因として「AI開発の致命的な遅れ」と「社内方針への失望」が挙げられています。
アップルは「Apple Intelligence」を華々しく発表しましたが、その実情は厳しいものでした。報道によると、中核となるはずだった新しいSiriの主要機能は、社内の成功率基準を大きく下回る「67%」程度しか達成できていなかったそうです。完璧主義を貫くアップルにとって、これは到底世に出せるレベルではありません。結果として、機能提供は2026年の春まで大幅に延期されることになりました。
そして、開発チームの士気を決定的に挫いたのが、経営陣の判断です。自社開発の難航を受け、アップルはライバルであるグーグルのAI「Gemini(ジェミニ)」を採用する契約を結びました。その使用料は年間1500億円以上とも報じられています。
現場のエンジニアたちにしてみれば、自分たちが心血を注いで開発してきた技術が、土壇場でライバルの製品に差し替えられてしまったわけです。「自分たちの仕事は無駄だったのか」という徒労感や失望感が広がるのは無理もありません。優秀なエンジニアほど、自分の技術が正当に評価され、社会に実装される環境を求めます。そうした純粋な情熱の行き場が、アップル社内から失われつつあるのかもしれません。
ささやかれるティム・クック退任説
組織の動揺は、トップの去就に関する噂にも飛び火しています。現在のCEOであるティム・クック氏に、退任の可能性が浮上しているのです。
もちろん公式発表ではありませんが、市場やアナリストたちは「クック時代の終わり」を予感させるいくつかのサインを感じ取っています。
一つは、AI対応の遅れに対する経営責任論です。競合他社がAIシフトを鮮明にする中で、アップルの動きは明らかに後手に回りました。この判断ミスが現在の苦境を招いたという厳しい見方があります。
また、クック氏の個人的な変化も憶測を呼んでいます。彼は長年、早朝4時に起床してジムに通うというストイックなルーティンで知られていましたが、最近それをやめたという話や、手の震えが見られたという目撃談、さらには倹約家として知られていた彼がカリフォルニアに豪邸を購入したといった「変化」が報じられています。これらが直接退任に結びつくわけではありませんが、彼自身が人生の次のステージ、あるいはリタイア後の生活を意識し始めているのではないか、と市場は見ているのです。
注目の「三代目CEO」候補たち
では、もしクック氏が退くとしたら、誰が巨大帝国アップルの舵取りを担うのでしょうか。動画では、対照的な2人の人物の名前が挙げられています。
最有力候補:ジョン・ターナス氏
現在、ハードウェアエンジニアリング部門のトップを務めるジョン・ターナス氏は、社内で最も信頼されている人物の一人です。彼は、Macの頭脳をインテル製チップから自社製の「Apple Silicon」へと移行させるという、極めて難易度の高いプロジェクトを見事に成功させました。
クックCEOからの信頼も厚く、堅実で仕事ができるリーダーとして知られています。しかし一方で、「慎重すぎる」「リスクを取らない」という批判的な声も社内にはあるようです。現在のアップルに必要なのは守りなのか、それとも攻めなのか。彼の堅実さは強みでもありますが、革新を求める社員にとっては物足りなさに映るのかもしれません。
ダークホース:トニー・ファデル氏
もう一人の候補として名前が挙がったのは、なんと「iPodの父」と呼ばれるトニー・ファデル氏です。彼は初代iPodやiPhoneの開発を主導した伝説的な元幹部であり、スティーブ・ジョブズと共に時代を切り拓いた人物です。
すでにアップルを離れて久しい彼ですが、最近、知人に対して「クックの後継者になることに前向きだ」と語ったと報じられ、周囲を驚かせました。彼が戻ってくれば、それは「破壊と創造」の象徴となるでしょう。かつてのジョブズのようなカリスマ性と強烈なリーダーシップで、停滞するアップルに再び革新の風を吹き込むことが期待されます。
ただし、彼は非常に個性が強く、社内での対立も多かったと言われています。組織の和を重視する現在のアップルに彼が受け入れられるかどうかは未知数です。
「継続と安定」のターナス氏か、それとも「破壊と革新」のファデル氏か。次のCEO選びは、アップルがどのような未来を選ぶのかという、会社の魂をかけた選択になりそうです。
ライバルたちの猛追とアップルの未来
アップルが内部の混乱に揺れている間に、ライバルたちは着々と包囲網を狭めています。
メタのマーク・ザッカーバーグCEOは、スマートグラスこそが次のプラットフォームになると確信し、自らメールを送って優秀な人材を口説き落とすという執念を見せています。潤沢な資金を武器に、なりふり構わずアップルの知見を吸収しようとしています。
オープンAIもまた、ジョナサン・アイブとタッグを組み、アップル出身者を集めて独自のAIデバイス開発を進めています。これは実質的に、アップルの遺伝子を持った別動隊が、外部で新しいアップルを作ろうとしているようなものです。
AIとハードウェアデザイン。かつてアップルの専売特許だったこの二つの領域で、トップ人材が流出し、競争力が低下する恐れがあること。これは投資家にとっても、ファンにとっても非常に大きな懸念材料です。
しかし、悲観することばかりではありません。
iPhoneを中心とした巨大なエコシステムは依然として健在ですし、世界中で愛されるブランド力も揺らいではいません。組織が大きく揺らいでいる今だからこそ、新しいリーダーシップによって膿を出し切り、再びイノベーションの波を起こすチャンスでもあります。
守りに入るのか、攻めに転じるのか。
巨大戦艦アップルは今、大きな分かれ道に立っています。ティム・クック氏の去就、そして次なるリーダーの決定は、テクノロジー業界全体の未来を左右する大きなニュースとなるでしょう。今後の動向から目が離せません。
