市場に衝撃【パランティア(Palantir)3Q決算】あらゆる予想をブチ抜く好決算!PER200倍超に警戒感も…?

おはようございます。投資家の間で今、最も熱い注目を集めている銘柄の一つ、「パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies、PLTR)」の2025年第3四半期決算が発表されました。その内容は、市場の期待を大きく上回り、非常に力強い成長を示すものでした。今回は、この「絶好調」な決算の具体的な中身と、今後の成長戦略、そして投資を検討する上で避けて通れないリスクについてご紹介していきます。

主要指標は軒並み予想を上回る。売上高は脅威の+63%成長

まず、決算の全体像ですが、「予想を大きく上回る、非常に力強い決算だった」と評価できます。これは、あらゆる主要な指標で市場の予想を超えてきた結果です。売上高は11億8,109万ドル(約11.8億ドル)となり、アナリスト予想の10.9億ドルを大幅にクリアしました。何よりも注目すべきは、前年同期比でなんとプラス63%という驚異的な伸びを示したことです。四半期売上高が10億ドルを超えたのはこれで2期連続となります。また、調整後の一株当たり利益(EPS)も、予想の0.17ドルに対して0.21ドルを達成し、純利益は前年同期の3倍以上に拡大するなど、利益面でも力強さを見せつけています。

成長の原動力は「米国商業部門」の爆発的な需要

この急成長を牽引しているのは、民間企業向けの「商業部門」、特に「米国商業部門」の爆発的な成長です。政府機関向けの売上高も前年同期比でプラス52%と十分な伸びを見せているものの、米国商業部門の売上高はなんとプラス121%と、倍以上の成長を達成しました。

この勢いをさらに裏付けるのが、契約の先行指標となる契約総額(TCV)です。第3四半期に獲得したTCVは全体で過去最高の27億ドル(前年同期比+151%)に達しましたが、中でも米国商業部門のTCVは13.1億ドルで、その伸び率は驚きの**プラス342%**です。これは、企業が自社のデータとAIを活用するための主力プラットフォームである「AIP(AI Platform)」の導入が、民間企業で本格的に火がついたことを示しています。顧客数も全体で前年同期比プラス45%と着実に増加しており、「商業部門へのAIシフト」という戦略が数字となって明確に現れた四半期と言えるでしょう。

強気な通期見通しとメガテックとの戦略的提携

好調な決算を受け、会社側は第4四半期と通期の業績予想を大きく上方修正しました。通期の売上高ガイダンスは約44億ドルへと引き上げられ、市場予想を上回る非常に強気な姿勢を示しています。特に急成長中の米国商業部門についても、年間の売上高が14.3億ドルを超える見込みだと、従来予想から情報修正されています。

この力強い見通しの背景には、将来の成長を後押しする重要な戦略的提携があります。一つはAI半導体の巨人NVIDIAとの提携です。NVIDIAのAI技術をパランティアのプラットフォームに統合することで、サプライチェーン管理のような複雑な現場業務における運用型AIの活用を強化し、迅速な意思決定を支援します。もう一つはデータクラウド大手のスノーフレークとの連携です。両社のプラットフォームを統合し、「ゼロコピー」での双方向データ連携を実現することで、データ連携の手間やコストを大幅に削減し、企業におけるAIアプリケーション開発を加速させる狙いがあります。これらの提携により、パランティアは企業がAIを導入する上での「ハブ」としての地位を固めようとしていることが見て取れます。

一方で、パランティアの原点である政府・防衛分野においても、ウクライナや中東情勢の緊迫化といった地政学的リスクを背景に、高度なデータ分析とAI活用のニーズが増大しています。英国防衛省との大型契約の拡大など、この分野での強さも引き続き健在です。同社のソフトウェアは既存の古いシステムの上に導入できるため、大規模な政府機関にとっても導入のハードルが低いという側面があり、アクセンチュアやデロイトといった大手コンサルティングファームとの提携を通じて、政府内での技術浸透を加速させる戦略もとっています。

ハイリスク・ハイリターンの象徴、投資家が注意すべき点

しかし、これだけ絶好調なパランティアにも、投資を検討する上で無視できないリスクがあります。最大の懸念点は、株価の「割高感」、すなわちバリュエーションの高さです。将来の予想利益に基づくPER(株価収益率)は200倍を超える水準が報じられており、AIブームを牽引するNVIDIA(30倍台前半)と比較しても桁違いに高い水準です。株価自体も年初から170%以上上昇するなど急騰しており、現在の株価には将来の成功が相当程度織り込まれている可能性が高いと考えられます。

また、熱心な個人投資家からの支持がある一方で、かつて強気だった有名投資家のキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメントなどが、利益確定やリスク回避の動きとしてパランティア株のポジションを段階的に縮小していることも、現在の株価水準に対する市場の警戒感を示唆しています。CEOのアレックス・カープ氏自身が夏に自社株を売却したニュースも、株価のピークが近いサインではないかという懸念を市場に呼びました。

さらに、売上の多くを占める政府契約への依存や、地政学的リスク(国際情勢の急変など)に業績が左右されやすいという政府ビジネスならではのリスク、そしてマイクロソフト、グーグル、アマゾンといった巨大テック企業との競争激化も、長期的に注視が必要です。

パランティアは、目覚ましい成長とAI需要の波に乗っていることは確かですが、現在の株価水準は極めて高い成長期待の裏返しです。期待通りの成長が実現できなかった場合、株価が大きく調整するリスクは常に意識しておく必要があります。まさに「ハイリスク・ハイリターン」銘柄の典型であり、短期的な株価の変動に耐えうる覚悟と、同社の技術力や長期的なポテンシャルを信じられるかどうかが問われる銘柄と言えるでしょう。AIが社会の隅々まで浸透していく未来において、パランティアがどのような役割を担っていくのか、その成長の可能性とそれに伴うリスクの両面から今後も目が離せない企業であることは間違いありません。


「米国株投資の耳よりな話」をお好きなプラットフォームで