【孫正義”74兆円”の野望】「Stargate Project(スターゲートプロジェクト)」とは?「Softbank×OpenAI」でAI時代の覇権を狙う

AI技術の進化が世界経済の地図を塗り替えようとしている今、日本の「ソフトバンクグループ」と、AI開発の最前線を走る「OpenAI」が手を組んだ超巨大プロジェクトが、世界中から熱い注目を集めています。その名も「スターゲートプロジェクト」。まさにSFのようなこの壮大な計画が、私たちの未来、そして投資環境にどのようなインパクトを与えるのかを詳しく見ていきましょう。

桁違いのスケール感 74兆円の計算インフラ

スターゲートプロジェクトとは、OpenAIが使用するための、これまでにない規模の超巨大な計算インフラ(データセンター群)を米国国内に構築することを目的とした合弁事業です。このプロジェクトは、OpenAI、ソフトバンクグループ、オラクル、そしてアブダビのAI投資会社MGXの4社が設立した共同事業体「スターゲートLLC」によって推進されています。

その規模はまさに規格外です。目標として掲げられている投資総額は、今後数年間で最大5,000億ドル、日本円にしてなんと約74兆円という途方もない額です。また、構築を目指す計算能力は合計で10ギガワット(GW)に達する見込みで、これは一つの巨大都市全体の消費電力に匹敵するレベルとされています。

この壮大な計画は驚くべきスピードで加速しており、当初の目標であった5,000億ドル・10GWの達成が、計画を前倒しして2025年末にも実現するのではないかという観測も出ているほどです。

孫氏が会長に就任 ソフトバンクが担う「財務責任」

このプロジェクトで、ソフトバンクグループは非常に中心的な役割を担っています。合弁事業体の株式の40パーセントを保有し、OpenAIと並ぶリードパートナーという位置づけです。そして何より、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、「スターゲートLLC」の会長に就任したことは、同氏のこの計画に対する並々ならぬ本気度を物語っています。

責任の分担としては、ソフトバンクグループが主に「財務責任」を、OpenAIが「運営責任」を担うとされています。つまり、74兆円という巨額の資金調達や、プロジェクト全体の財務戦略をソフトバンク側が主導していくことになります。報道では、この資金調達にデッドファイナンス(借り入れなど)を大規模に活用する可能性が高いとされており、これは大きなリスクを取ってでも将来の巨大なリターンを狙う、孫氏ならではのハイリスク・ハイリターン戦略とも言えるでしょう。

孫会長は、人間のように学習・思考できるAGI(汎用人工知能)の開発に不可欠な計算パワーのインフラを握ることが、AI時代の覇権を握る鍵だと考えています。その野望の先には、AI関連市場全体の潜在的な収益機会を600兆円規模と試算しているという情報もあり、ソフトバンクグループがAI時代の中心的なプレイヤーとなる強い意思が見て取れます。

技術の中核を担うオラクルとNVIDIA

また、オラクルもこのプロジェクトにおける非常に重要なテクノロジーパートナーです。計画されている全容量10GWのうち、5.5GW以上をオラクルが担うことになっており、その存在感は絶大です。

オラクルが提供するのは、高性能計算に強いクラウド基盤「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」です。AIの学習や推論に必要な処理能力を提供する鍵となる技術であり、すでに最先端のNVIDIA製半導体チップ「GB200」を使ったAIトレーニングが開始されています。

この巨大インフラの構築は、NVIDIAにとっても強力な追い風です。高性能なGPUに対する需要がこのプロジェクトによってさらに爆発的に伸びることが予想され、引き続きAIインフラのキープレイヤーであり続けることは確実でしょう。

国家戦略としての側面と社会へのインパクト

このプロジェクトは、単なる民間企業の取り組みを超え、国家戦略的な意味合いも帯びています。正式発表がホワイトハウスで、トランプ大統領が同席のもとで行われたことは、米国がAI分野におけるインフラ投資を国家的に後押しするという文脈の中に位置づけられていることを示唆しています。

スターゲートプロジェクトが計画通り実現すれば、社会全体にも計り知れない影響を与えるでしょう。アメリカ国内で数万人規模の雇用創出が見込まれるほか、かつての製造業の拠点だった地域が最先端のAIデータセンター建設によって再活性化されるなど、地域経済への貢献も期待されています。さらに、医療や創薬、気候変動対策といった様々な分野での研究開発が、飛躍的に加速する可能性を秘めています。

投資のヒント:注目すべきセクターと企業

これだけ巨大で野心的な計画には、当然ながら資金調達の課題や、高騰するハードウェア価格、世界経済の不透明さといった不確実性もつきまといます。プロジェクトの動向を追う上では、これらのリスク要因にも注意を払う必要があります。

一方で、投資の観点からは、このビッグニュースがもたらすビジネスチャンスに注目すべきです。恩恵を受ける可能性が高いセクターとしては、核となる半導体セクタークラウドコンピューティングセクターが挙げられます。

具体的な関連企業としては、主要パートナーであるオラクル(OCI)、GPUの需要増が確実なNVIDIA、OpenAIの主要パートナーであり続けるマイクロソフト、そしてソフトバンク参加の設計企業アームなどが挙げられます。また、データセンターの建設・運営に必要な電力・エネルギー関連企業や、高性能半導体を製造する製造装置メーカーにも、間接的ながら大きなビジネスチャンスが広がると考えられます。

スターゲートプロジェクトは、AIの未来を切り開き、私たちの社会や経済のあり方を根本から変えてしまう可能性を秘めた壮大な計画です。巨額の投資、技術的なハードル、そして国家戦略的な側面を含め、その行方から目が離せません。これらの情報が、あなたの米国株投資のヒントになれば幸いです。


「米国株投資の耳よりな話」をお好きなプラットフォームで